空き家を売却するには、基本的な流れや費用、税金について理解しておくことが重要です。法律や規制を踏まえながら、売却のポイントを詳しく解説します。
空き家売却の基本
まずは空き家の市場相場を把握し、不動産会社に相談したうえで適正な売却価格を設定しましょう。
空き家をそのまま売却する
リフォームや清掃をせずに売却することで、時間やコストを節約できます。特に、早期売却を希望する場合には有効な選択肢です。ただし、購入希望者が価格を低く見積もる可能性があるため、周辺の相場との比較しながら適正価格を見極めることが重要です。
空き家を解体して売却する
土地として売却することで、買い手が見つかりやすくなる可能性があります。特に、新築需要の高い地域では建物を取り壊すことで、よりよい条件で売却できることがあります。
ただし、解体には費用がかかるため、コストとメリットを比較しながら判断しましょう。
不動産会社に空き家を買い取ってもらう
空き家の売却方法には、一般の購入希望者を探す仲介だけでなく、不動産会社へ直接売却する「買取」もあります。
買取では不動産会社自身が買主になるため、一般の購入希望者が見つかるまで待つ必要がありません。
そのため、
・できるだけ早く空き家を手放したい
・築年数が古く修繕が必要
・長期間売りに出しているが買主が見つからない
・家財や残置物が多く残っている
・遠方にあり内覧対応や管理が難しい
といった場合には選択肢になります。
一方、不動産会社は購入後のリフォームや解体、再販売にかかる費用などを考慮して査定するため、仲介で一般の購入希望者へ売却する場合より買取価格が低くなる傾向があります。
空き家を売る方法は「そのまま仲介で売る」「解体して土地として売る」だけではありません。価格より売却までの早さや管理負担の軽減を優先する場合は、買取も比較して判断しましょう。
空き家買取の仕組みや仲介との違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

売り出し時期の選び方
一般的に、春や秋は新生活のシーズンで売却が活発になります。地価や住宅ローン金利の動向を考慮しながら、最適なタイミングを見極めることも重要です。
空き家売却にかかる費用と税金
売却には、不動産会社への仲介手数料や税金が発生します。これらの費用を事前に把握し、売却後の収益を正確に計算しておきましょう。
売却にかかる主な費用
主な費用として、以下のようなものがあります。
- 仲介手数料:売却価格が400万円を超える場合、通常は「売却価格の3% + 6万円(別途消費税)」が発生します。
- 所有権移転登記費用:名義変更に必要な手続きです。
- 測量費用:境界が不明確な場合、土地の測量が必要になることがあります。
- 修繕費用:売却前に建物を補修する場合に発生します。
空き家では片付け・解体・測量の費用も確認する
空き家の売却では、仲介手数料や税金以外にも、物件の状態によって追加費用が発生することがあります。特に確認しておきたいのが次の費用です。
| 費用 | 発生する主なケース |
|---|---|
| 家財・残置物の処分費 | 家具や家電、生活用品などが残っている |
| 解体費 | 建物を取り壊して更地で売却する |
| 測量費 | 土地の境界が不明確 |
| 庭木・雑草などの処分費 | 敷地内の管理状態が悪い |
| 修繕費 | 建物を補修してから販売する場合 |
ただし、これらの費用をすべて売主が先に負担しなければならないわけではありません。
例えば、建物を残したまま古家付き土地として売却できれば解体費をかけずに済む場合があります。また、買取では残置物や修繕を含めた条件で査定できるケースもあります。
空き家を売る前に片付けや解体へ費用をかける場合は、その費用以上に売却条件が良くなるのかを確認してから判断することが大切です。
特に解体を検討している場合は、建物を残した場合と更地にした場合の査定額を比較してから決めると、手取り額を判断しやすくなります。
空き家の解体費用や、費用が変わる要因については以下の記事で詳しく紹介しています。

売却にかかる税金の種類
- 譲渡所得税
売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた利益に課税されます。控除や特例を活用することで、税負担を軽減できる場合があります。 - 住民税
譲渡所得税と合わせて計算され、自治体ごとに異なります。
査定方法と適正価格の設定
不動産会社に査定を依頼し、適正価格を把握しましょう。複数社に査定を依頼し、価格だけでなく売却戦略も比較検討することがポイントです。
空き家売却における特例と節税方法
空き家を売却する際には、税制上の特例や節税方法を活用することで負担を軽減できます。
相続した空き家を売却する場合
相続により空き家の所有者となった場合、その評価額が相続税に影響します。売却時には清掃や簡単なリフォームを行うことで、買い手の印象が大きく変わります。
以前住んでいた空き家を売却する場合
思い入れのある物件でも、市場価格に基づいた適正価格の設定が必要です。市場の動向を考慮しながら、適正な価格で売却しましょう。
特例を利用する際の注意点
「空き家譲渡所得の特別控除」などの特例を利用する場合は、要件を満たしているか事前に確認が必要です。期間や適用条件を専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。
相続した空き家は3,000万円特別控除を確認する
相続した空き家を売却する場合は、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる可能性があります。一定の要件を満たす空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。現在の制度では、一定の要件を満たす空き家を2027年12月31日までに売却した場合が対象となっています。
なお、2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋や敷地を相続・遺贈によって取得した相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除額が最高2,000万円となります。
この特例には、
・亡くなった人が住んでいた住宅であること
・相続後の利用状況
・売却価格
・売却時期
・建物の耐震性や解体状況
など複数の要件があります。
「相続した空き家なら必ず3,000万円控除を使える」という制度ではないため、売却や解体を決める前に適用条件を確認しておきましょう。
また、相続した空き家では、亡くなった人が住宅を購入したときの契約書が見つからないことがあります。土地や建物の取得費が分からない場合は、売却代金の5%相当額を概算取得費として計算できる場合があります。
例えば3,000万円で売却し、取得費が分からない場合は、
3,000万円×5%=150万円
を取得費として計算できます。
ただし、本来の取得費より大幅に小さくなると譲渡所得が大きくなり、結果として税負担が増える可能性があります。
相続した実家を片付ける際は、古い売買契約書や領収書など、不動産を購入した金額が分かる資料をすぐに処分しないことも重要です。
3,000万円特別控除の適用条件については、以下の記事で詳しく紹介しています。

空き家売却の手続きの流れ
空き家を売却する際には、いくつかの手順を踏む必要があります。
売却準備
まず、購入検討者によい印象を与えるため、空き家の清掃と整備を行いましょう。また、登記事項証明書や固定資産税評価証明書など、売却に必要な書類を早めに準備しましょう。
不動産会社選び
空き家売却の相場を知るために、複数の不動産会社に査定を依頼し比較検討しましょう。
実績や評判を確認する際には、インターネットの口コミや知人からの紹介を参考にし、信頼性の高い不動産会社を見つけ、担当者と信頼関係を築くことが重要です。
さらに、空き家の売却の契約内容や手数料についても十分に確認しておきましょう。不明点があれば、事前にしっかりと質問することが重要です。
売却活動の進め方
インターネットやSNSを活用した情報発信は、幅広い層にアプローチできます。また、オープンハウスや内見会を開催することで、実際に物件を見てもらう機会を設けましょう。見学者とのコミュニケーションを通じて、空き家の魅力を伝えることが重要です。
売却成立後の手続き
売買契約書の確認、名義変更、引き渡しなど、売却後の手続きも確実に進めましょう。
空き家売却での注意点
空き家の売却には、法的な手続きや状態確認、買い手との交渉など、慎重に進めるべきポイントが多くあります。ここでは、売却時に特に注意すべき点について解説します。
名義変更
相続によって空き家を受け継いだ場合、名義変更が必要です。相続登記を完了させておきましょう。
空き家の状態確認
まず、建物の外観や内装の劣化具合をチェックし、必要に応じて修繕を行いましょう。また、所有権や登記状況の確認も重要です。
更地にする際のタイミング
老朽化が進んだ建物は、更地にすることで買い手が見つかりやすくなる可能性があります。地価の動向を見ながら判断しましょう。
売却活動の際の注意点
物件写真の撮影や内覧時の対応を工夫し、購入希望者によい印象を与えましょう。
まとめ
空き家をスムーズに売却するためには、適切な価格設定と売却戦略が重要です。また、税制や法律の知識を活用しながら、効率的に売却を進めましょう。専門家のアドバイスを受けながら準備を進め、成功する空き家売却を目指しましょう。


































































































