独身の終活のススメ!ポイントや生前整理について解説

近年、社会的に終活に注目が集まっており、自分が生きているうちから身の回りの物や財産について整理する「生前整理」を行う方も増えてきました。

では、独身の方の場合も同じく、終活や生前整理は必要なのでしょうか?

今回の記事では、独身の方が終活・生前整理をした方がいい理由、具体的にやるべきことやポイントなどをご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

そもそも独身に終活・生前整理は必要?

独身の方は、配偶者や子供がいないため、万が一の際に頼れる身内が少ない場合が多いでしょう。既婚者の方の場合は、何かあった時に配偶者や子供に様々なことを任せてしまうこともできますが、独身の方は任せられる相手が限られています。

だからこそ、独身の方は自分の人生に責任を持ち、自分らしい最期を迎えるためにも、終活・生前整理を早めに始めることをおすすめします。

独身の終活・生前整理でやるべきこと

独身の方の終活・生前整理では、例えば財産や身の回りの物、万が一の際の葬儀やお墓のことについても考えておくことが必要です。

では、具体的には何からどうやって進めていけばよいのかをご紹介します。

エンディングノートを書く

エンディングノートは、自分の意思や希望を記録しておくためのノートのことです。

エンディングノートには、葬儀やお墓の希望、延命治療について、品物の処分について、さらには伝えたいメッセージなど様々なことが記入でき、自分が亡くなった後、どのようにしてほしいのかを具体的に残すことで、知人や友人、親族へ自分の希望を伝えることができます。

また、エンディングノートを作成することで、自分の人生を振り返り、今後の人生設計を考えるきっかけにもなります。

しかし、エンディングノートには1つ注意点があり、それは「法的効力はない」ということです。財産や相続に関することなどは、親族間トラブルになりやすいものになりますので、具体的に決めていることがある場合には、遺言書に書くようにしましょう。

遺言書の作成

遺言書の作成は、独身の方の終活・生前整理においてとても重要なものです。

独身の方は、配偶者や子供がいないため、財産を相続させる相手を自分で決める必要があります。

相続に関する問題は、親族間で最も多く発生するトラブルの一つですので、誰に何の財産を相続してもらうのかを事前に明確にしておくと良いでしょう。また、相続に関する考えは法的効力を持つ遺言書に書くことをおすすめします。

遺言書を書く際は、法的に有効なものになるように、弁護士や司法書士に相談しながら書くと安心です。

葬儀・お墓の準備

葬儀の準備は、終活・生前整理において非常に大切な要素です。独身の方は特に、自分の意思をしっかりと周囲の親族に伝えておく必要があります。

葬儀に関しては、葬儀社と生前契約をしておくのがおすすめです。自分が健康なうちに契約しておくことで、自分の希望通りの葬儀にすることができ、万が一の際に親族や友人に対して負担をかけることもありません。

お墓についても、独身の方は慎重に考える必要があります。配偶者や子供がいないため、お墓を建ててもその後の維持・管理が難しい場合があるからです。そのため、お墓を建てることにこだわりがなければ、永代供養墓を検討するのがおすすめです。

また、先祖代々のお墓があり、自分以降の代で維持・管理をしてくれる人がいなかった場合、墓じまいを検討することも必要になります。

重要書類の整理

重要書類の整理は、終活・生前整理において欠かせない作業です。

重要書類の整理をする際、まずは必要な書類を全てリストアップし、内容を確認しましょう。ここでいう重要書類には、身分証明書や保険証、銀行口座の情報に加えて不動産の契約書などが含まれます。書類の内容を確認し、契約内容に見直しが必要だと感じた場合は、今後のことを考慮した上で契約内容を更新することをおすすめします。

内容の見直しが終わったら、書類の保管場所を決めましょう。書類は紛失してしまわないようにまとめて保管しましょう。防犯性が気になるのであれば、金庫を用意してその中に保管し、万が一の際は自分以外でも開けるように暗証番号をエンディングノートに書いておくのがおすすめです。暗証番号などを記載したノートは、人目につかない場所でしっかり保管しましょう。

財産の整理

財産の整理をしておくことも独身の終活・生前整理においてはとても重要です。なお、ここでいう財産とは、現金、銀行通帳、株、保険証券などの財産と、バッグ、時計、金融アクセサリーなどのブランド品のことです。

ブランド品については、今後のことを考え、もう不要だと思った場合には、売却を検討するのが良いでしょう。また、誰かに譲りたい場合には、その意思をエンディングノートや遺言書に書いておきましょう。

特に高価なブランド品など金銭的価値が高い物の場合は、法的効力を持つ遺言書に書くのが良いでしょう。金融財産については、重要書類と同様に中身を確認し、整理した後に保管しておきます。

独身の生前整理・終活を始めるべきタイミングとは?

独身の方が終活・生前整理を始めるべきタイミングは、特に明確な決まりはありません。しかし、一般的には早くにスタートする方が良いとされています。

理由としては、実は、終活と生前整理は1度やれば終わりというものではありません。ライフスタイルや資産状況、自分の価値観が変わることもあるので、以前行っておいた内容の更新する必要が出てきます。

しかし、早い段階で基本的なことを整理しておけば、その後は定期的な見直しだけで済みますので、1から考える必要はありません。そのため、自分が健康で元気があるような年代から始めるのがおすすめです。

年代別の独身の方の終活・生前整理のポイント

終活・生前整理を始めるタイミングは人それぞれですが、始める年代によって重要視するべきポイントは変わってきます。

ここでは、30代、40代、50代と年代別の終活・生前整理のポイントをご紹介します。

30代で始める生前整理・終活の重要性

30代の方は、独身の方の場合でも将来的に結婚する可能性も高い年代であるといえるしょう。

そのため、この年代の方は本格的に終活・生前整理をするというよりは、老後に向けてライフプランを立て、準備を進めるようにしましょう。

具体的に考えておくべきことには、保険のこと、住宅に関すること、老後のことを考えた資産形成などが挙げられます。

40代での生前整理・終活の具体例

40代は、よく人生の折り返し地点ともいわれる年代です。実際に、40代は老後に向けて終活・生前整理を本格的に考え始めた方がいいタイミングです。また、40代の多くの方は十分に健康的で、終活・生前整理をてきぱきと進められるのもメリットです。

具体的には、まず30代の方と同じく自身の資産を整理することが大切です。それに加えて葬儀や将来病気にかかってしまったときのことも考えて必要な費用について考えておくと安心です。

また、生前整理として、身の回りの品物の整理なども始められると良いでしょう。

50代からの生前整理・終活ポイント

50代からの終活・生前整理は、一つ一つのことについてより具体的に考えていくべき時期になります。定年退職が見えてくる年代でもありますので、退職金も含めてお金の使い道をシミュレーションし、何にいくらぐらい必要になるのか設計をしていきましょう。

また、この年代ぐらいから健康面に不安な要素を抱えてくる方も多くなります。今の自分の健康状態を一度見直し、必要に応じて医療や介護についての情報を集めておくと万が一の際に安心です。

また、財産については財産目録を作成したり、相続に関することを考えてエンディングノートや遺言書を作成したりするのもおすすめのタイミングです。

独身の方の終活・生前整理の際の注意点

独身の方は、以下のようなことに注意して終活・生前整理を進めるようにしましょう。

成年後見制度を活用

独身の方の場合、万が一の際には成年後見制度の活用を検討することをおすすめします。

成年後見制度は、様々な理由で判断能力が不十分な場合に、適切な保護・支援を受けるために家庭裁判所が成年後見人という役割の人を選任する制度です。

成年後見人に選ばれた人は、自分に変わって福祉サービス・年金など様々な手続きをおこなってくれたり、お金のトラブルに巻き込まれた際に自分に変わって対応してくれたりします。

成年後見人は、自分の親族から選ばれるケースもありますし、該当者がいない場合には法律・福祉の専門家などから家庭裁判所が選任するケースもあります。

親族とのコミュニケーションを大切にする

独身の方は、終活・生前整理において、親族とのコミュニケーションを大切にすることは非常に重要です。

自分に配偶者・子供がいない場合、何かあった時にはまず親族に頼ることになる場合が多いでしょう。もしもの時、親族とのつながりがあまりなかった場合にはなかなか頼りづらくなってしまいます。定期的に連絡を取り合うなど、普段から親族とのつながりを大切にしましょう。

生前整理を遺品整理業者に依頼する

独身の方で、特に仕事などで忙しく、なかなか一人で生前整理の作業を進められないという場合は、遺品整理業者に依頼して生前整理を手伝ってもらうことをおすすめです。

遺品整理業者に生前整理を依頼するメリットはいくつかありますが、第一に、自分で行う手間や時間はほとんどかかりません。遺品整理業者は整理作業のプロですので、伝えた要望に沿って、丁寧かつ素早く作業を進めてくれます。依頼することで、自分の大切な時間を他のことに使うことができます。

また、遺品整理業者は相続に関する知識も豊富に持っていますので、疑問や悩みについても具体的な解決方法やおすすめの相談先などをアドバイスしてくれます。

遺品整理業者に依頼すると体力的な負担も必要ありません。生前整理作業で不要なものとして分類した、重たい家具や家電などがあった場合、これを一人で運び出すのはかなりの重労働です。遺品整理業者に依頼することで、作業の負担もなくなります。

これから終活・生前整理を始めようかと考えている方は、ぜひ検討してみてください。

遺品整理業者の選び方

遺品整理業者へ生前整理を依頼する際は、業者選びは非常に重要なポイントです。

業者を探す際は、まず複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。作業内容の相場を把握することができますし、見積もりを通して業者を比較検討することができます。

また、対応が丁寧で説明が分かりやすい業者を選びましょう。わかりやすい説明をしてくれる業者であれば、どのような作業を行うのか明確に伝わり、安心して依頼することができます。反対に、対応が悪い業者であれば、作業中も気軽に要望を伝えることができないといったことも考えられます。

悪徳な業者には注意する

中には、悪徳な遺品整理業者も存在します。実際にあったトラブルの一例として、追加作業が発生したなどと言って、事前の見積もりの値段から大きく外れた金額をその後請求されたというケースなどもあります。そのため、業者に見積もりを依頼する際には、やってもらいたい作業がすべて含まれている値段なのか、また追加費用が発生しないのかを契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。

また、口コミサイトで業者を探す際には、偏った意見に流されないよう注意が必要です。良い評価だけでなく、悪い評価も含めて全体的な評価を客観的に見るようにしましょう。口コミサイトも、1つのサイトだけでなく、複数のサイトを参考にするのがおすすめです。

まとめ

この記事では、独身の方が終活を始めるべき理由や具体的なステップについて解説しました。エンディングノートの作成や遺言書の準備、財産や重要書類の整理といった具体的な行動を起こすことで、自分らしい最期を迎える準備が整います。

また、終活や生前整理は一度行えば終わりではなく、ライフスタイルや価値観の変化に合わせて定期的に見直すことが必要です。自分のタイミングで少しずつ取り組みながら、未来に向けて安心できる環境を整えていきましょう。

この記事が、独身の方の終活や生前整理を始めるきっかけになれば幸いです。ぜひ、自分らしい人生を全うするための第一歩としてご参考ください。

この記事の監修者

エコリング不動産
宅地建物取引士・遺品整理士・相続葬送支援士・鑑定士
本田 和裕

北海道で不動産業14年従事、売買取引件数400件以上、不動産仲介・買取からリフォームプロデュース・再販売まで対応可能です。エコリングでは日用品・ブランド品の鑑定・査定も行っておりおウチまるごとの対応が出来ます!

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